1ヶ月半ほど前になりますが、夏休み真っ只中の8月4日5日の2日間で、
豊島区主催のぜんそく児のための水泳教室の講習として
ぜんそく児童向けのエクササイズ指導の講師をさせていただきました。
全体としては4日間の水泳教室と喘息教室で、
専門医による講座と水泳前後の診察や呼吸機能測定、
私は後半2日間で水泳前のエクササイズ指導を担当しました。
今日はちょっとその内容について、
ざっくり紹介していきたいと思います。
まずはなぜ喘息児童に水泳なのか。
喘息のお子様はどうしても運動不足になりがちです。
一昔前は、喘息というと発作を起こしやすいからあまり運動ができないイメージだったかもしれませんが、
現在は以前に比べて薬の発展もあり、薬のコントロールがうまくいくことで発作も起こしにくく、運動がしやすくなっているようです。
お医者様からも身体を鍛えるようにと言われますが、様々な条件が影響を与えるため、特に運動誘発喘息を起こしやすい子は
どんな運動が良いか、どのように行うかを慎重に考慮する必要があります。
運動誘発喘息とは、運動によって喘息が誘発されることを言いますが、
湿度や気温が低いと、また運動が激しいほど発作が起こりやすくなります。
そこで、オススメなのが水泳!
水泳は湿度もあり強度が徐々に上げられ、全身を鍛えることができるので喘息のお子様に良いと言われています。
また、水中で息を吐くことが気道の収縮が予防されることも良い一因とされています。
私の役割は、水泳がより効果的になるような準備体操を体験してもらうこと。
そして子供達に身体を動かすことの楽しさ、気持ち良さを実感してもらい、
普段から体操を習慣として取り入れようという動機付け。
喘息のお子様の保護者の方々から聞いた話では、
姿勢も悪くなりがちで、肩こりや背中のコリを訴えたりすることもあるとのこと。
長期間の喘息により、肋骨の動きが悪くっている可能性があるので、より呼吸をしにくくなる悪循環に。
正しいカラダの使い方をしていくことで、余計な力を抜き、頑張りすぎなくても効率的に動けるようにすること。
それによって運動誘発喘息をできるだけ防ぎ、運動習慣を身につけて欲しいと考えました。
子供達には、まず肋骨を自分で触ってもらい、ここを動かしてみようねと。
見た目も、自分自身でも触りやすくイメージしやすい体の部位ですね。
よくピラティスやジャイロトニックのレッスンでクライアント様から、「わ〜肋骨が広がった〜」と、実感の声が聞けます。
そうそう、広がると呼吸もしやすくなって気持ちがいいですよね!
正確には、肋骨が広がったというより、肋骨1本1本がつながって、鳥かごのような入れ物を作り、
肺や心臓などの臓器が入っています。
難しい言葉でその入れ物を胸郭と言いますが、
英語で肋骨はRIB、そして入れ物をRib Cageというので、英語の方が簡単にイメージしやすいかも。
(この肋骨の動く仕組み、後日改めて書きたいと思います)
カゴがフワーと広がって、肋骨1本1本の間が広がる感じですね。
さて、体操は保護者の方々、水泳指導の先生方、看護師さんなど、
みなさん一緒に頑張ってくれました!
肋骨を動かすためには、背骨を色々な方向に動かす体操、もちらん体幹を鍛えながら、
足腰にもしっかり力が入るように。
チャレンジの体操も結構ありましたが、子供達の集中力もすごい!
今まであーしんどいなという表情をしていた子も
得意な動きではすごく張り切って、自信満々の嬉しそうな表情を見せてくれました。
体力もつけて欲しいけど、自信が持てる、気持ちが前向きになる!
精神面での効果もエクササイズの大切な要素ですね!
そしてこの後の水泳を本当にみんな楽しみにしているようでした。
体操はできるだけわかりやすい動きで、興味を持ってもらえそうなネーミングにしたり。
スプリングスの男性インストラクターの皆さんに協力してもらい
家でもできるようなシートにしました。
なぜ男性インストラクターかというと、体操のお兄さんのイメージにしたかったので。
お子様と一緒に、そんな肋骨の動きを改善できるような体操をやってみたい方は、
ご紹介しますので、ぜひスプリングスに足を運んでくださいね。
WRITER
濱口 由美子
YUMIKO HAMAGUCHI
株式会社スプリングスピラティス代表
トップインストラクター
ピラティス /ジャイロトニック/ 理学療法士