外部主催ワークショップ「中高年のためのピラティス 股関節編」の報告です

2019.4.16

 
   
   
   
   

先週金曜日にBSM R Labでインストラクター向けワークショップを担当させていただきましたので、その報告です。

 

これは「中高年のためのピラティス」としてシリーズとして企画中のワークショップで、更年期以降のお客様に比較的多い疾患を部位別に取り上げ、より疾患を理解しながら効果的なアプローチを身につけていこうという試みをしていきます。

 

BSM R Labでの開催については、昨年の骨粗鬆症のワークショップを担当させていただいて以降、継続して声をかけていただき、今回が4回目になります。

 

インストラクターの方達からの要望として、スタジオに来るお客様の層が広がっており、中高年の方の疾患にも対応できるように知識を深めたいということで、それならより医療的な情報を盛り込んでバイオメカニクスからしっかりやっていこうと、このような企画になりました。

 

まずシリーズの第1回は股関節編。

プライベートレッスンをしていると変形性股関節症の方が2、3人は担当しているのではないかと思います。今後手術を予定していたり、するかどうかを迷っていたり。

最初はやはり皆さん、股関節の痛みが酷くて、ピラティスが良いと聞いたり調べたりしてスタジオにいらっしゃいます。

 

私もスタジオをオープンして以来、変形性股関節症のクライアント様がスタジオに通われる数年の間、すでに手術をされた方が5人、今後検討中の方が同じくらいいらっしゃいます。

ちょうどワークショップの前日にも、人工骨頭置換術の手術が終わりました!と入院中のベッドからメールをいただいたところでした。

 

さて、ワークショップででは主に変形性股関節症の病態を、股関節の構造と機能(バイオメカニクス)の観点から見ていきながら、どのような過程を経て手術をするのか、どんな手術なのかを説明していきます。

術後の動きの禁忌事項ももちろん大事ですが、なぜ手術をしなくてはいけないかを少しでも理解できると、私たちが何をレッスンで提供したら良いかがわかって来ると思うからです。

そして実技では、股関節の位置、筋肉の張り具合をどのように私たちが触っていけるか。

動きとしてはとてもベーシックですが、エクササイズを展開する上で見ていって欲しいポイントとして、実技を交えながら進めました。

エクササイズを始める前に、股関節症の方は痛みの防御のため筋肉の緊張が高く、動きに入りづらいことが多いですね。

私はワークショップで骨や筋肉の触診を入れることが多いのですが、これはインストラクターが実際にエクササイズのハンズオンする上で、筋肉の緊張具合を感じながらおこなうことで、クライアントさんの動きの変化がわかるからです。

そして立位での評価、エクササイズを重視する必要があること。股関節は骨盤(つまり上半身)と脚(つまり下半身)をつなぐ重要な役割があり、荷重がうまく伝達できることが大切です。
うまく体重が股関節に乗ってる、股関節がハマってる感覚です。
変形性股関節症の場合、この荷重伝達がうまくできなくなり、筋肉のバランスが悪くなり、変形が徐々に進行して痛みがでてききます。
仰向けや座位姿勢でうまくいっていても、立位や歩行できちんと荷重が伝達できないといけないのですが、この部分をもっとフォーカスできたらなと思います。

 

皆さん、ここまで大腿骨頭の動きをディープに見ていったのは初めてのようですが、触診は決して専門的だからと思うのではなく、クライアントさんに寄り添って触って感じる『listen and feel』でいきましょう!
たくさん触る、集中して触る、またバイオメカニクスを確認してまた触る。
皆さん、実技にとても熱心に取り組んでくださいました!

 

第2回目は足部・足編を6月7日におこないます。
股関節の次は膝じゃないの?
確かに。でも膝は股関節からも足部のアライメントからも影響を受けるので、
その繋がりを理解するには股関節→足部へいこうと思います。
詳細はこちらのBSM R Labのウェブサイトをご覧ください。
https://www.bodymindspiritresearchlab.com/workshops/214

濱口 由美子

YUMIKO HAMAGUCHI

株式会社スプリングスピラティス代表
トップインストラクター
ピラティス /ジャイロトニック/ 理学療法士