カラダの仕組みシリーズ vol.12 デスクワークに座位のエクササイズの要素を!

2021.8.03

 
   
   
   
   

在宅ワークによる運動不足が問題になっていることへの対策として、
「NEAT(非運動性活動熱産生)を高める」つまり普段の日常生活の中で少しでもアクティブに動く工夫をすることで、相対的に1日のエネルギー消費量を増やすことにつながるというお話をブログで書きました。NEATについての記事はこちら

 

今回は、座ることに関して、どんな工夫をしたら良いか?というお話をします。

最近はスタンディングデスクでデスクワークというのもアリですが、
まずは今の座ってのパソコン操作でどれだけ工夫できるかを紹介します。

意識するのは、座っている時の姿勢ですが、
できるだけシンプルに骨盤の傾きだけにフォーカスしましょう。

 

下の写真で、デスクワーク中の姿勢を比べてみましょう。
左の写真は腰や首に負担がかかる、悪い姿勢のパターン。普通、こうなりますよね。
スクリーンを見るために目線が下がり、頭部が前に出て、肩は前に出て、骨盤が後ろに倒れ、お腹が潰れています。

この状態を続けるのが良くないのは、NEATの面から見ても、背筋も腹筋も活動量が少なく、体幹の深部の筋肉もお休みしているからなんです。

 

真ん中は、パソコンの位置を高めにして、肘をバスタオルなどでサポートして脊柱のニュートラルな位置をキープできるようにしています。
骨盤腰椎はニュートラルで、エクササイズの時のスタートの姿勢。
肩甲骨の位置が安定することは、キーボード操作がしやすいだけでなく、
全身をコネクトして体の軸を意識する助けになります。
自然に骨盤底筋が引き上げやすくなり、インナーユニットの活動が高まり、
腹筋や背筋群も活動します。

 

右は、真ん中のニュートラル姿勢のまま、前方にあるタンブラーに手を伸ばしているところ。
前方へのリーチ動作は、エクササイズをそのまま応用できますね。

前に軽めのウエイトでも置いておいて会議中もちょっとした動きができたりします。
また紹介しますね!

さて、ポイントは坐骨の意識だけ!
上の図は骨盤を後ろ、前、横から見たところですが
椅子の面に接する坐骨を垂直に立てる意識をしてみましょう。

 

下の図で、骨の位置を確認。


恥骨はすぐわかりますね。
上前腸骨棘は、腰の一番出っ張っているところを前から触った時のグリグリ。

上前腸骨棘と恥骨がまっすぐ垂直になっているのが、骨盤を垂直に立てたニュートラルの状態です。

 

下の写真で骨盤の傾きがわかりますね。

・左は後ろに倒れ(後傾)脊柱全体が屈曲の姿勢。坐骨の後方に体重が移動しています。インナーユニットの活動は弱い。

・真ん中が脊柱ニュートラル、骨盤が垂直で腰椎の自然なカーブが出ています。インナーユニットが適度に活動。

・右は、ニュートラルを保ったまま、真ん中の姿勢から坐骨の前方に体重を移した姿勢。インナーユニットがさらに活動しもっとも腹筋背筋が働いています。

 

坐骨が椅子の座面の上でゴロンゴロンと回っているように見えますね。

最初は慣れるまで大変ですが、パソコンの高さ、テープルや椅子の高さなど、自分にあった高さを探してやってみてください!

自宅では、パソコンスタンドを使っています。

斜めだとちょっと手首が疲れるので、別にキーボードを用意するともっと快適だと思います。
リストレストを使うと手首の負担軽減になります。

右のパソコンと比べてかなり高さが違いますね。目の高さが変わります。

座ってできること、まだまだたくさんあります。
少しずつ紹介していきますね!

アクティブで快適な在宅ワークになりますように!

 

追記

リストレストはこんな感じです。

手根(手首の掌側のゴツゴツしたところ)をパッドの上に乗せてキーボード操作をします。
低反発のパッドになっていて安定するので、手首への負担が軽減できます。

Springs Pilates代表

濱口由美子