子供の姿勢とピラティス ー小学生のころは遊びの要素をー

2019.8.31

 
   
   
   
   

夏休みの間、いつもよりお子様と家で過ごす時間が長かったからか、
うちの子こんなに姿勢悪かったっけ?と思っている方も多いのでは?

 

実際、ピラティスを始めたお客様からも、お子様の姿勢について相談されることが多いのですが、
親が姿勢についての理解を深めて、日常の中で意識できるようになった分、
さらに気になり、直して欲しいという気持ちになりますよね。

ピラティスって何才くらいからできるの?
ともよく聞かれます。

 

中学生くらいになると、腰痛、側弯症、スポーツ障害などに関連してご両親から相談があり、
実際にレッスンに通われています。
中学生では、骨の急激な成長と筋肉などの発達のアンバランスや、
特定のスポーツに集中するための負荷の増加が問題になっている場合など、
姿勢はもちろん、体の使い方を見直しながら、症状に合わせたアプローチをする必要があることも。
お子様自身の意識も高く、大人と同様にレッスンが効果的にできます。

 

小学生、特に低学年ではどうでしょうか?
自分の体に向き合って、じっくり体幹のインナーマッスルにフォーカスして、なんてできるわけないし。
そもそも、じっと姿勢を保つこと、ゆっくりコントロールする動きを教えるは難しい。
まだ骨も成長途中の子供の体は、関節も柔らかいので、
むしろ姿勢を教えるより、様々なスポーツに親しみ、外で思い切り遊んで身体を動かすことが
良いのではないかと思います。
とはいえ、スポーツを習いにみんなが行くわけではないし、外で遊ぶ機会の少なくなっている
最近の小学生を取り巻く環境を考えると、
家で少しでもできることは?となります。

 

ここでは、子供の成長段階に応じて、小学生と中学生に分けて考えてみたいと思います。
今回は小学生について見ていきましょう。

 

最近は学習塾で過ごす時間が長かったり、ゲームなどで背中を丸くして長時間過ごして普段は座りっぱなしで、
大人顔負けの長時間座位。
小学生でも腰が痛い、肩がこるなんて聞きますよね。

 

まず座り方、できるだけ簡単に、教えましょう。
両足の裏をきちんと床につけられるよう、椅子の高さを調節しましょう。
そして骨盤を立ててその上に頭が乗っかるように。
坐骨にきちんと体重を乗せる感覚がわかると、自然に背筋がピンと伸びます。

横から見た脊柱は、S字カーブという自然な湾曲があります。

S字カーブ脊柱を支えている骨盤。
下の写真は垂直に骨盤が立っている状態です。
左右にある、とんがった形のところが坐骨です。
まっすぐ骨盤を立てて座り、左右に体重移動すると、ごつんと触れる骨の感触。
もしも背中が丸くなっていると、骨盤が後ろに倒れ、坐骨の後方に体重が乗るので、ごつんとしないですね。

 

この、ごつんごつんの坐骨で座る、と覚えるといいかもしれません。
両足で踏ん張り、坐骨に乗って坐骨が椅子の座面を押す感じ、頭を天井方向に伸ばすようにするだけで、体幹のインナーマッスルに効いてきますよ!

横から見ると、脊柱はS字カーブなので、背中を壁にぴったりつけると、腰と首のあたりに隙間ができますね。

さて、今年の夏休みも、豊島区主催の喘息児水泳教室の一環の、体操指導に講師として参加させていただきました。
対象は小学1年生から6年生ですが、低学年がやはり多く。
今年も動物エクササイズ、やってもらいました。
興味を持ってもらえるよう、動物シリーズで体幹を鍛えられる体操を考えています。
今年は特に、肩甲骨まわりと股関節の大きな筋肉を鍛えられるものを多くしました。

大人にはむしろきつい動きですが、、、
肩甲骨周辺の筋肉を鍛えると肋骨も動きやすくなり、腹筋群も働きやすくなり、
股関節はコアを安定するためにも重要な要素なので、大きく動かして鍛えます。

例えば「くま歩き」

雑巾掛けの時の姿勢と同じですね。
膝をつかない四つ這いで、手足を左右交互に動かして歩きます。
母趾球で床をしっかり押すので、立っているときの足の裏の使い方にも効果的です。

 

今年もみんな、元気いっぱいに動いてくれました。
親子でできる体操としてみんなに渡したけど、一緒にできなくても、
「これをやると足が速くなるんだって」、「平泳ぎが上手になるよ」、など効果を具体的に声掛けしたり、
「体操やっているの見せて!」「先週より膝が伸びているよ」「姿勢がよくてかっこいいね」、と具体的に褒めてあげると、
きっと楽しくやってくれるのはないかと思います。

遊びの中で、自然に鍛えられることが重要かなと思います。

 

そして、外遊びはぜひして欲しいですが、公園などの遊具の中でダントツはジャングルジムかな?
股関節の動きが大きく、ストレッチも自然にされ、背骨を色々な方向に捻って、腕の力もつき、
狭いところをくぐるので、ボディイメージの発達にも良いですね。

 

毎回寝るときはジャングルジムを通らないとベッドにベッドに行けない、
くらいの環境を大人になっても続けていたら、腰痛も減っていたかもしれませんね。


次回は中学生や高校生の姿勢の問題について、書きたいと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

濱口 由美子

YUMIKO HAMAGUCHI

株式会社スプリングスピラティス代表
トップインストラクター
ピラティス /ジャイロトニック/ 理学療法士