ワークショップ「中高年の膝疾患へのアプローチ」の報告です

2019.9.19

 
   
   
   
   

先週の金曜日は、株式会社Zen Place主催のインストラクター向けワークショップ、
「中高年へのアプローチシリーズ 膝編」を講師として担当してきました。
このシリーズは第1回目は股関節、第2回目は足・足関節。膝編は第3回となり、14名の方が参加してくれました。秋田からきてくれた方も!

ピラティス、ヨガのインストラクター、バレエの先生、企業の保健師さんなど。

色々なバックグラウンドのかたがきてくださり、それぞれ問題を持ってなんとかクライアントさんのためにという気持ちが伝わってきて、私もとても刺激になります。
シリーズで参加していくことで、全身の様々な部位が影響し合っていることを理解するのはもちろんですが、年齢とともに変化していく関節や筋肉の状態を理解することにもつながり、いかに根本的なアプローチが大切かがわかっていただけるのではないかと思います。

膝といえば、中高年に多い整形外科疾患の一つ、変形性膝関節症。
クリニックでも本当に多くの患者さんが膝痛のために通院しています。
変形が進み、歩けなくなる、日常生活に支障が出るようになると人工膝関節の手術の適応に。

 

下の写真は、左が変形性膝関節症。
膝の内側の軟骨どおしが当たって、すり減っています。
外側の隙間は逆に開いていて、脛骨が斜めになっているので、
おそらく立位では内反膝(O脚)の状態です。

右は人工膝関節の手術後の写真です。

ワークショプでは、インストラクターの皆さんに、膝の触診に慣れてもらうため、
膝っこぞうに落書きしてもらいました。
写真を撮り忘れましたが、膝蓋骨、膝蓋靱帯、大腿直筋をトレースして、
そして膝の内反と外反つまり(O脚、X脚)をみるQ角をチェックしてみよう!ということで。

大腿四頭筋も4つあるので一つ一つ触診。パーンと張りやすい腸脛靱帯。
ハムストリングス のリリースなど。
膝周りの筋肉を触診しながらリリースの方法をいくつか紹介しました。

そしてエクササイズのプログレッション。
痛みの強い時のアプローチの仕方、ベーシックな仰向けでのエクササイズから、
立位での荷重をかけたエクササイズを多く実践してもらいました。
特にスクワットでの股関節の使い方を、前回の股関節編と関連つけて。
膝の動きは曲げ伸ばしとわずかな回旋のみ。
大きく動く股関節や、地面と接して複雑に形を変える足関節や足部の影響を受ける、
真ん中に位置する関節です。

それだけに不良なアライメントにより筋肉や靱帯を痛めやすく、関節も影響を受けやすい。
2足歩行ならではの膝の悩みかもしれませんね。

このシリーズでは、バイオメカニクスの理解があってこその中高年の疾患の理解ができ、エクササイズの提供が意味を持ってできるようになる、とのコンセプトで進めていきます。
インストラクターの皆さんの悩みも聞きながら、解決法を共有できるワークショップとして、
今後もさらにわかりやすく実践で役にたつ内容で提供できるよう頑張ります!
興味のある方、こんなテーマでやって欲しい、など気軽にお問い合わせください。

濱口 由美子

YUMIKO HAMAGUCHI

株式会社スプリングスピラティス代表
トップインストラクター
ピラティス /ジャイロトニック/ 理学療法士