「暑熱順化」を知って、夏に強い身体に!じんわり汗をかくことから

2022.6.15

 
   
   
   
   

毎年、梅雨が終わって急に暑くなった時に体がついていかなくて、暑さに参ってしまうのを経験していませんか?
熱中症も、初夏や梅雨明け、夏休み明けなど、気温の急上昇に、身体がが慣れていないことで起きることが多いと言われています。
暑いのは平気だから大丈夫!と思うかもしれませんが、さまざまな条件が重なることによって熱中症は誰でもなるリスクがあります。

 

特に、コロナの影響で外出の機会が減り運動不足だったところに、急に外での活動や、暑い中で運動を始めたりする方が多いかもしれません。

 

 

そこで、「暑熱順化」という言葉をまず知って、熱中症を予防して暑さに強い身体作りを今のうちから始めるにはどうしたら良いか、紹介していきたいと思います。

 

 

「暑熱順化」とは、身体が暑さに慣れること。

私たちの身体には、身体の深部である脳や内臓などが外気の温度上昇に影響を受けないよう、身体の内部から体温を下げるよう徐々に順応していくことで体調を維持する機能があります。

 

具体的には、
皮膚の血管を拡張することで、体表から熱を体外へ放出する
汗をかくことで体表から汗が蒸発(気化熱)することで熱を放散させる

 

では、暑熱順化ができていない場合と、できている場合を比べてみましょう。

 

暑熱順化できていないと?
・汗に含まれる血流量が増えにくく、熱放散しにくい
・汗に含まれる塩分が多く、ナトリウムを失いやすい
・体温が上昇
熱中症になりやすい状態!

 

暑熱順化できていると?
・皮膚の血流量が増えて熱放散しやすい
・汗に含まれる塩分が少なく、ナトリウムを失いにくい
・体温が上昇しにくい
熱中症になりにくい、暑さに強い身体に!

 

ナトリウムは、体内で水分のバランスや筋肉の収縮、神経の情報伝達、栄養素の吸収・輸送に関与したり、細胞外液や血液循環、血圧の調節をしたりと、生命維持に重要な要素ですね。
塩分の形で普段の生活の中で自然に摂っていますが、そのバランスが崩れてしまうと体調に影響してしまうのですね。

 

暑熱順化は、気温が緩やかに変化し暑い日が続くと、身体は自然に暑さに慣れて慣れていくのですが、数日から2週間くらいかかると言われています。

しかし、個体差もあり、普段運動していない方、1日中冷房の環境に置かれている方、外出の機会の少ない方、高齢者や体力の低下している方は、暑くなる前から余裕を持って暑熱順化を始めると良いです。

日常生活の中でできる暑熱順化の方法は?

 

一番効果的なのは、「やや暑いと感じる環境でややきついと感じる運動」をすることと言われています。
ですが、もちろん個人差がすごくありますので無理は禁物。
普段運動をしていない方には、この時期に運動を始めるだけでもハードルが高いですよね。

 

以下、運動不足の方にオススメの、日常生活の中で簡単にできる対策をあげましたので参考にしてみてください。

1 暑くてもシャワーだけで済ませず、湯船にゆっくり浸かって、じんわり汗を出す。
2 冷房温度を適度に調整
3 適度に外出するなどで外気に当たる
4 朝夕などの暑くない時間帯に30分程度のウオーキングやジョギング
5 一駅分歩く、買い物を少し遠くまで歩いていく
6 じんわり汗ばむ程度の軽めのトレーニング

*水分をしっかりとりながらおこないましょう!

 

そして、栄養バランスの良い食事と睡眠がもちろん大切ですね!
健康的に楽しく「暑熱順化」しながら、夏を乗り切れる身体作りをしましょう!

 

熱中症対策や暑熱順化については、
一般財団法人日本気象協会の「熱中症ゼロへ」というホームページの解説がわかりやすく参考になります。

暑熱順化のページはこちら
資料のダウンロードも可能です こちら

暑熱順化チェックリストもあるのでぜひご覧になってください!