カラダの仕組みシリーズ vol.11 姿勢保持に重要な多裂筋

2021.7.14

 
   
   
   
   

さて、今回はインナーユニットの一つである多裂筋のお話です。

日常生活の中で「どのように動くか」の意識が将来のカラダのために重要!と思ってもらえると良いなと、気軽に読んでもらえるようにカラダの仕組みシリーズを始めたのに、長らく停滞してしまいました。

前回のブログが1年半前のコロナ前の頃でした…

 

今はコロナの影響による運動不足から、様々な問題が浮き彫りになっています。
今回のテーマの多裂筋は、運動不足に関係のある重要な筋肉群。

 

多裂筋は、シリーズでお話ししてきたインナーユニットを構成する筋肉群の一部。

インナーユニットは、いわゆる体幹のインナーマッスルのことで、
横隔膜、骨盤底筋、腹横筋、多裂筋が共同して腹圧をコントロールすることで
姿勢保持や腰部骨盤の安定に関わっています。

 

まずは多裂筋の解剖図を見てみましょう。

太くて長い脊柱起立筋の奥で、仙骨から頚椎2番目までの椎体の真ん中の棘突起を挟むように、一見、背骨の全体にわたってついている筋肉。

でもよく見ると、真ん中の棘突起から斜め下に伸びて2〜4個くらい下の椎体に分かれてついています。

多裂の「裂」は、さける、分かれる、引き裂くという意味があるので、文字どおり想像できそうですね。
もみの木のようなイメージでしょうか。
深部で脊柱に一番近い筋肉ですね。
このような細かいつき方をする筋肉なので、
脊椎の細かい動きを調整する役目があり、付着部分の脊柱の伸展、側屈、回旋の動きをコントロールしています。

大きな力ではなく、細かい調整ですね。

 

ですが、頸部と腰部、特に下部腰椎でかなり発達しています。
腰部の胸腰筋膜を介して、腹横筋と連結して、腰椎や骨盤をしっかりサポートする「コルセット」のような役割をしています。

よく、インナーユニットのトレーニングの時に「天然のコルセット」と、例えてお話しすると、なるほど!という感じです。

次の図は、腰の部分の横断面。

胸腰筋膜に包まれた多裂筋、そして胸腰筋膜が腹横筋につながって、

胴体をぐるりと取り囲んでいます。

多裂筋が下の図のように筋膜の風船の中でボワーと膨らみ、ピンと緊張が筋膜につながり、
腹横筋の収縮も筋膜に伝わり、骨盤から腰部にかけてジワーとコルセットが包んでくれるイメージです。

これまでシリーズの中でお話ししてきた、骨盤底筋、腹横筋、横隔膜とつなげて、後ろ側も意識してみましょう。

インナーユニット、4つも意識?たくさんありますよね。

でも、インナーユニットは共同で働くので、働きやすい環境に体をおいてあげればちゃんと働きます。

 

 

座ったまま坐骨を椅子の座面に垂直に立てて、頭頂部を上に伸ばしてリラックスします。
インナーユニットは頑張って力を入れるのではなく、意識することで十分働きます。
もちろん負荷に応じた強さが必要です。

インナーユニットは腹圧を生み出し脊柱を支えて、姿勢を保ったり、脊柱の動きをコントロールするのですが、必要に応じた強さで使えることが大切です。

まずは、多裂筋に思いを巡らせて。

ゆっくり息を吸って、ゆっくり丹田のあたりから息を吐いていくようなイメージで。
腰骨のあたりの高さで、ぐるりと優しくコルセットに包まれるような感じです。

 

さて、一通りインナーユニットについて触れてきたので、
ここからのカラダの仕組みシリーズは、

日常生活で気軽に取り入れられるようなトレーニングを、
身体の仕組みを取り混ぜながら紹介していきます。

もう少しテンポを上げてアップしていきますので
楽しみにしていてください!

 

スプリングス代表
濱口由美子