カラダの仕組みシリーズ vol.6 一番深部の腹筋『腹横筋』

2018.9.15

 
   
   
   
   

前回までの呼吸については、胸郭の部分、つまり肋骨の動きや横隔膜の動きについて見てきました。

ここから、いわゆるコアの筋肉について迫っていきますね!
ピラティスのトレーニングにおいて、中心になるコンセプトでもあり、
単純に腹筋を強くするということでないので、じっくりいきます。

 

息を吸うときには横隔膜が下がって、胸腔内圧が下がるので、
外から空気が胸腔つまり肺にどーっと流れ込んで来るんでしたね。

 

横隔膜が下がるとお腹の中はどんな影響を受けるのでしょうか?

まず横隔膜の下の部分はどうなっているかというと、腹腔という大きな円筒形の入れ物になっています。
いわゆる胴体の部分。
肋骨の一番下から骨盤までのところは骨がないですね(下の図A)
後ろは脊柱、そして周りを腹筋の壁でぐるりと囲まれて空洞になっています(下の図のB)

空洞には、ぎっしりと、隙間なく様々な臓器が詰め込まれています。

食道下部、胃、小腸、大腸、肝臓、脾臓、胆嚢、腎臓など。
その下は骨盤臓器になりますが、空洞は続いていて、
一番下の部分が骨盤底(骨盤底筋群についても、今後、コアの筋肉として登場します!)

 

もちろん腹腔には空気は入ってこないので、
息を吸ったとき、お腹が膨らむのは横隔膜が下がって臓器が柔らかいお腹の方に膨らむから。

 

下の図を見ると、

腹直筋はお腹の前側にサスペンダーのように、上下に繋がっているだけですが,

他の腹筋は、外から外腹斜筋、内腹斜筋、一番深部の腹横筋(赤丸)の順に腹筋群がぐるり3層になっています。

後ろの背筋群と、お腹の周りを円筒形にかこむ3層の腹筋群が筋膜で繋がっているのがわかります。

この深部の腹横筋が、コアの筋肉として働きます。

腹横筋 まずしっかり覚えておきましょう!

腹横筋のイメージは、ざっくり、下の写真のような腹巻き。
上の方、真ん中、下の方で若干斜め加減の違いはありますが、ほぼ繊維が横方向に走っています。

腹巻き全体が胴体をじんわり締めていくと胴体が長ーく伸びていく感じです。

腹巻きのイメージはレッスン中のキューイングでもよく使います。

どんなエクササイズの時にも、この腹巻きをしながら動いていきますね!
かたーいコルセットではなく、柔らかい伸縮があるもの、
それでいて他のコアの筋肉とグループで働くことで、
腰椎骨盤をしっかりサポートするすごいパワーを発揮します。

骨盤を立てて自然に座るか立った姿勢で、頭のてっぺんを天井に引き上げるようにして息を吸い、

ゆっくり長く、息を吐いてみましょう。
骨盤の一番下のあたりから空気を吐き出していくようなイメージで(実際はそんなことないですが)

この時、姿勢はこのまま背骨を長く保ち、肋骨や骨盤が近づかないように。
腹巻きが、優しく胴体全体を包み込んで、サポートしてくれるのがわかりますか?
呼吸が大いに関係してるってことですよね!

 

図が多くなってしまったので、今日はここまでに。

次回からさらに呼吸との関連を詳しく見ていきます。

 

濱口 由美子

YUMIKO HAMAGUCHI

株式会社スプリングスピラティス代表
トップインストラクター
ピラティス /ジャイロトニック/ 理学療法士